こんにちは、プロ人事です。
人事の皆さまは、大学生を含むZ世代の間で「MBTI」が流行っていることをご存知でしょうか。
MBTIとは、簡単に表すと性格診断ツールのこと。
もしかしたら「MBTI」を知らなくても、「ENFP」「主人公」などの字面だけは見たことがあるかもしれませんね。
本記事では、MBTIについての基本情報と、知った内容をどう合同説明会に活かすことができるかをご提案します。
「合同説明会で学生とどう話したらいいかわからない!」
「若い子に通じるアイスブレイクが知りたい…」
という人事の方は必見ですよ。
MBTI診断を話題にする際のご注意
今回ご紹介する「MBTI」とは、「16Personalities」を指し、本来の「MBTI」とは異なりエンターテイメントの側面が強い診断です。
近年はMBTIを悪用した採用活動や人事評価も起こっており、MBTIハラスメントとして問題視されつつあり、公私に問わずトラブルが起きていることから、日本MBTI協会でも注意喚起を発信する事態となっております。
MBTIはあくまでも学生との会話をはじめるきっかけや、「こういう傾向がある」と認識を行い、学生にお伝えする際は過度に押し付けず細心の注意を払ってご活用いただくよう、お願いいたします。
引用:16Personalities性格診断テストを「MBTI®」だと思って受けられた方へ | 一般社団法人日本MBTI協会

合同説明会の運用にお困りですか?
株式会社プロ人事では、合同説明会の運用代行やご相談に応じています。
プロの人事が展開する採用サポートをご体感ください。

MBTIとは?
MBTI(Myers‑Briggs Type Indicator)は、ユングの心理タイプ理論をもとにした自己申告型の性格診断ツールです。
4つの指標(外向E‑内向I/感覚S‑直感N/思考T‑感情F/判断J‑認知P)で性格タイプを16通りに分類し、「ENFP」「ISTJ」など4文字で表します。
また、「主人公」「管理者」など人物を模して解説する事例もあります。
現在、多くの方がMBTIだと認識しているのは、「16Personalities」の無料性格診断テストです。
正式なMBTIは、国際規格のトレーニングを受け、取り扱い資格を持った専門家と一緒に、自分と対話をしながら自身への理解を深めていく有料のものです。
あくまでエンターテインメントであり、本来のMBTIとは別物であることを念頭に置きましょう。
MBTI(16Personalities)流行の経緯
MBTI(16Personalities)は2025年現在までに3度のブームがありました。
第1次ブームに間してはひっそりと広がった雰囲気があるので、基本的には第2次ブームから世間に浸透しはじめたと考えて良いでしょう。
- 第1次ブーム(2018年頃~)
-
スタートアップ、ベンチャー企業界隈でひっそり流行していました。
今ほどの大きなブームではありませんでしたが、徐々にMBTIが浸透していきました。
筆者がMBTIに触れたのがこのタイミングです。 - 第2次ブーム(2022年5月)
-
第2次ブームからMBTIを知った方が多いのではないでしょうか。
韓国の男性アイドルグループ、BTSが公式YouTubeで「MBTI Lab」の動画を公開。
メンバー7人の結果がARMY(ファン)に大きく拡散し、K‑POPファン層を中心に一気に広まりました。 - 第3次ブーム(2023年以降)
-
第1次ブームから第2次ブームの間が空いたことと比べると、第3次ブームが起きた大きなきっかけはなく、第2次ブームの延長戦で広まった印象です。
日本のZ世代(18~29歳)の自己理解・コミュニケーション手段として定着。
SNSの「あるあるネタ」化や大学生の間の日常会話にも登場するほど浸透しました。大体10分〜15分程度で診断ができるため、YouTube動画にちょうどいい尺であり、多くの若者が興味を持つ旬のコンテンツであることから、日本の芸能人もMBTI診断を行い、公開する動画も増えました。
「手軽さ」と「カテゴライズ欲求」がブームの背景に
MBTIの診断結果は、スクリーンショット1枚で済むためSNSでの共有が容易です。
特に、大きなブームのきっかけとなったBTSの動画配信は、K‑POPファンを軸にしたMBTIの公開・共有文化を生み出しました。
また、コロナ禍による人間関係への関心の高まり、自宅でできる手軽な暇つぶしとしての側面があったことも、要因のひとつでしょう。
流行に早い方たちが診断を終え、自己理解を深めたタイミングと言っていいでしょう。
Xでの「ENFPはこういう特徴がある人で」といった診断結果を元に理解が深まるような投稿、TikTokやInstagramのリールで「○○あるある」「タイプ別行動パターン」といった、MBTIに関するコンテンツが量産されるようになりました。
MBTI診断は、多様性を重視しつつも「自分はどこに当てはまるのか」を明確にしたい欲求と、MBTIを元にしたカテゴライズ欲求、好きなKPOPアイドルや日本の芸能人との共通点を探せること、相性もわかる点がZ世代に流行したポイントだと言えます。
MBTI(16Personalities)を合同説明会に取り入れる方法3選
これまでMBTIの基本の概要を紹介してきました。
ここからは「合同説明会に活かす方法3選」を紹介します。
【大前提】あくまでエンタメ。採用活動に影響しないことも伝えよう。
「君INFPっぽいね!」など、見た目のイメージから勝手に判断して声をかけるのは禁句です。
すごくノリがいい学生ではないかぎり、「陰キャっぽいってことかな」「メンヘラっぽいかな」など、悪く捉えてしまう場合があるからです。
内容によっては「MBTIハラスメント」として捉えられてしまうリスクも非常に高いです。
先入観や決めつけだけで話を進めないよう、細心の注意を持って会話するよう心がけましょう。
また、話によっては採用活動への影響や入社後の人事評価に関わるのではないかと誤解を招く可能性があります。
あくまで話題づくりの一環として使うとともに、採用活動や人事評価には影響しないこともお伝えしましょう!
プレゼン時にMBTIを自己紹介に取り入れる
合同説明会での企業説明・プレゼン時に、例えば、以下の発言を掴みとして、MBTIを公開してみるのはいかがでしょうか。
「最近MBTI診断をやってみたけど、やったことある人?」
「自分の部署みんなでMBTIをやってみたら、E(外交型)しかいなくて!」
「こうやってプレゼンをしているけれど、実はI(内向型)です」
「最後まで聞いて、自分のMBTIを当ててみてください!」
プレゼン中にMBTIを取り入れると得られるポジティブな結果は以下の3つです。
- 若者文化に明るい企業として、働きやすいと感じてもらえるかも
- MBTIに詳しい学生がいたら、じっくり話を聞いてくれるかも
- 例えば、「I型(内向性)だけど営業をやってみたいが務まるか」のような質問をしてくれるかも
反対に、MBTIに全く興味がなさそう、知らなさそうな学生には一切話を振らないのが吉。
流行に逆張りしたいタイプ、自分をカテゴライズしたくないタイプ、まったく若者文化に触れていないタイプにとっては未知の言語だと言えるからです。
また、MBTIの話題を振った際に回答に戸惑う様子を見せたり、反応が薄い場合は他の話題に誘導ことも視野に入れましょう。
MBTIは過度に押し付けず、あくまでブースに参加した学生との話題づくりとして取り扱うことが重要です。
自身の企業の性質や、どのような学生とつながりを持ちたいかを考えてから取り入れるようにしましょう。
MBTIを話題にしたいおすすめの企業・業種は以下の通りです。
- 女性を多く採用したい企業
- SNSマーケティング
- 美容、アパレルなどトレンドに敏感な業界
呼び込み時に足を止めてもらえるよう学生に聞いてみる
先ほどは自分のMBTIを明かす方向でしたが、ここでは、学生の足を止めるために「あなたのMBTIは何?」と質問をしてみることを提案します。
呼び込みのときに大切なのは、いかに足を止めてもらえるか。「自分と話をしたいと思ってもらえる」話題を瞬時に出すことが重要です。
MBTIに興味がある、好きな学生であれば、パッと「討論者!」や「ESTJ!」など答えてくれるでしょう。お互い一言ずつで会話のラリーが成り立ちます。答えてくれたことをきっかけに、座ることを促す流れが作れるかもしれません。
また、着席後や質問対応などの話の流れで「最近よく聞くけど、MBTIってどういうもの?」と学生に質問するのもおすすめです。
育ってきた年代で流行や文化が異なる中で、学生の立場に興味を持ってもらい、親近感を与えるチャンスが生まれます。
学生の興味を引きつつ、主体的に話したくなる「会話のきっかけ」を用意してみて
本記事では、多くの大学生が知っているMBTIについて紹介をしました。
MBTIに限らず、学生の興味をひけて、主体的に話したくなるような会話のきっかけを用意してみましょう。
もちろん、学生により自己開示したい、したくないは様々。それでも、着席してもらったり、後の応募を促すためにはその場だけでも仲良くなることが必要です。趣味、最近のニュース、大学生活など、複数の共通話題を用意しておくと会話の幅が広がりますよ。
また、どんな話題でも過度に自分の考えや趣向を押し付けず、学生の話に真摯に耳を傾ける「傾聴の姿勢」を大切にしましょう。
せっかく「MBTIなに?」と聞いて答えてもらって、どんな性格なのかを話してくれそうな雰囲気なのに、「自分のMBTIは〜」「そのMBTIの人ってこういう人が多いらしいね」など、自分の思うことを話してしまってはもったいないです。
あくまで「目の前の学生の話を聞くターン」だと捉え、「あなたのことを教えてくれてありがとう」の気持ちを持ちながら、学生と会話をしましょう。
“合同説明会トレンド” では、この他にも合同説明会の参加に役立つ情報を発信しています。
ぜひ他の記事もご覧いただき、合同説明会の運用に役立てていただけると嬉しいです!